先日ツイートした藤井聡先生の参院での公述の中で、過度の効率化は避けるべきだ、という言葉が印象に残りました。それを聞いてはっと思うのは、流通の効率化です。在庫はコストということで、生産から消費者へのサイクルを短縮させて、効率化を図る。この効率化のおかげで携帯電話を多色化したりした、ロングテールのニーズに対応することが可能になったと思われます。しかし、この流通の効率化のおかげで、在庫によるバッファー機能がなくなったのでした。今回の震災による風評で首都圏では買い占めによる品不足が簡単に起こりました。コンビニなどでは流通はほぼ通常通り回っているとのことでした。それでもこのような品不足が起こったのは、ちょっとしたパニック買い占めに対応できるようなバッファー機能がなかったためだという説があります。商品のなくなった棚がまた買い占め心理をあおるという負のフィードバックもかかったものと思われます。
しかし何をもって過度というべきかはムツカしいところです。平時と非常時は違います。
もう一つのキーワードは多様性ではないかと思います。
先日読んだ本で、「生物と無生物との間」だったかそんな本には驚くべきことが書いてありました。
細胞膜の重要な機能に関わるタンパク質を発見したという。そのタンパク質を作れないようにしたラットを調べてみたら、確かにその重要なタンパク質はないのに、平然と細胞膜は機能していたというのです。これは、別の緊急経路があって、代替タンパク質を持って来るような機能がDNAの中に隠れていることを示しています。このような多様性が生物をここまで生かしてきたとも言えるでしょう。
例えば、なんでしょうね・・・。単一電池がなくなって、単三電池を単一のサイズにできるケースが話題になったり。一円玉とティッシュとセロテープで単三を単一にする、とか。多様性によるバッファーとはそういうことでしょうかね。普段はあまりいらない、やらない。
しかし、生物学というのは奥深いですね。一生懸命探って理解したつもりが、さらにその先の奥深い何かを見せつけて来ますねぇ。やんなっちゃわないのかと思います。
あと、DNAネタでちょっと話が飛びますが、今の原発の問題でいろいろ専門家がテレビでしゃべっていますが、上のようなことを熱く語っていた専門家がいました。我々のDNAは先祖から受け継いで来た最高のバッファー機能を持っているんだ、それを信じて、過度に放射能を恐れないようにしてほしい。・・・短いテレビのコメントでは伝わらなかったと思います。