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明日から台湾

 明日から台湾です。今回はこてこての研究内容についての話でかなりマニアックですが、地球科学の面白さの一端でも感じていただけたら幸いです。

 で、明日、地質学会要旨の締め切りなのですが、台湾に行くこともあり、ちょっと早めに昨日のうちに済ませてしまいました。もちろん明日からの台湾調査に関連した研究をやってくれている院生も発表します。ですが、なかなか台湾に調査に行けず、学生の就職活動などもぼちぼちあったことから、5月末にあった連合大会からほとんど研究が進んでいませんでした。地質学会そのものは9月半ばなので、それまでに明日からの調査の結果が出ていることは間違いないのですが、せっかくだから要旨の段階で何か新しい内容をくっつけておきたい、と、ここ数日、いろいろ試行錯誤していました。
 たまたま院生セミナーの準備のために台湾の論文レビューをやっていまして、なんとかその勉強を生かすことはできないだろうか?と、試行錯誤するにしても方向性はありました。レビューした論文は掘削坑の崩れ方向や幅から、「現在」の力の向きと大きさを決定するというものでした。我々は、地震などでできた断層群を用いて「過去」の力の向きと力の大きさの比を出しています。力の向き自体は「現在」も「過去」も同じような方向でした。論文によると「現在」の力の大きさは、どうも横ずれ断層や正断層の状態を示しているとのことです。しかし、地震断層自体は逆断層であり、地震が起こったとき、あるいは起こる前は逆断層性の力の状態であったはずです。ですので、このレビューした論文は、地震後に力が緩和して変化した結果を見ているのではないかと提案していました。
 我々の得た「過去」の応力方向と応力の力の比を、この議論に使われた手法と合わせると、予想通り逆断層の状態を示す結果が得られました。しかもある程度の範囲で、力の絶対値を絞り込むことができたのでした。地震前の力から地震後の力へ変化することが絶対値とともに得られたことは、すごいことではないだろうか!いろいろ仮定があるのは当然で、もっと他の可能性も考える必要がありますが、いまのところ、常識的な範囲の値が得られています。大変面白いです。
 ということが、数日で一気に進みました。研究の面白いところです。ま、こつこつとその前に論文レビューをやっていたことが重要なんですけどもね。
 ということで、明日からの台湾での調査でどういうデータが取れるか、大変楽しみです。