帰国してまた東京の奇跡

 こないだ日曜日の夜に帰国しました。6日に日本を出てまずはシカゴ経由のステートカレッジへ。先月高知で野外調査を一緒に行ったペンステート大学のドン教授のところを訪問しました。共同研究打ち合わせです。学生のモーガンのサンプルを高知コアセンターで分析し、そのデータの解析方法などの議論、別の断層年代の共著論文を準備中で、その解釈の議論などを行いました。

 で一緒に車でワシントンDC入りしたのが土曜日だったかな。翌日日曜日昼からヒクランギ航海の速報ワークショップ、月曜からAGU本番で、さまざまな発表を聞きました。学生の発表が火曜日、自分の発表が水曜と金曜。で、土曜日の早朝、ドナルドレーガン国際空港からニューアーク、成田、高知と戻ってきました。

  多くの友人と再会し、楽しい学会でした。

 で月曜日、大学へ出勤。事務処理をやりました。もちろん昼休みのバドミントンも楽しみました。夕方から学科の鍋パーティーがありまして、美味しい鍋を食べながら、学生とお話ししました。ですが翌日朝一の出張のために早々に退散。お酒も飲まずに帰りました。妻が驚いてました。

 昨日の火曜日は、5時半起きで朝イチの飛行機。東京です。石油系の会社で分析ソフトウェアのワークショップに参加しました。午前中は講師と一対一のレクチャー、午後は研究事例発表会、夕方から懇親会。信州大の先生が北大の大先輩で私の指導教員にテーマをもらって卒論やったらしく、「君の兄弟子だよー!」ということが判明いたしました。楽しく懇親会が終了したのが夜7時半ば。

 終わる時間が不明だったので東京の卒業生たちに連絡してなかったのですが、試しに東京駅の近所に職場がある卒業生にライン出したら、なんと別の卒業生と食事の約束をしており、ちょうど東京駅に向かっているという!そんなことあるんでしょうか?!すぐ合流して久々の再会を楽しみました。

今年も終わるなぁ

 12月。師走。一応教員です。

 明日から米国出張です。毎年恒例の米国地球物理学会に参加することがメインの目的ですが、その前に先日高知に来た米国の研究者と研究打ち合わせがありまして、ちょっと早めに行きます。まずはシカゴに飛んでそこから国内線でペンステート大学へ。週末にその米国研究者とワシントンDCまで車で行く予定です。今年の学会はワシントンDCで開かれるのです。楽しみです。

 今回は口頭発表が二回。まだ準備終わってません・・・。

 

 さて、前回予告していた大学教員の社会貢献について、です。毎年新年度は、大学の教員評価のための書類を書かねばなりません。昨年度の業績をまとめるんですね。その業績が研究、教育、社会貢献に分類されています。

 大学教員の社会貢献の一つは、学会運営などです。学会の代議員、役員、セッションコンビーナ、座長などがこれにあたります。

 もう一つはなんといっても研究普及活動というか一般講演会などですね。今年は、市民大学、シルバー大学、高校などでの講演、企業向けの巡検案内、学校防災授業などがありました。

 ほぼほぼ高知県民向けなので、高知にいかにすごい地質があるのかをお伝えするのが第一の目的です。なるべく分かりやすく!と思ってやってます。プレートテクトニクスとか付加体とかメランジュとか、ま、基本的なところを勉強していただく必要がありまして、それでもって高知の地質がその中でどんだけすごいのか!をお伝えしています。

 講演が終わると、楽しそうですねー!とよく言われます。はっきり言って、講演会で話すのは大変楽しいです。

 先日はちょっと年配の方々にお話ししたのですが、質問で「大学の研究費が減っているというのはどうなのか?」と聞かれました。すると他の聴衆の方の目つきが変わって、会場の集中力が上がりました。大変驚きました。いわゆる大学から支給される研究費は減少の一途であり、競争的研究費を獲得しないともはや何もできない。競争的研究費を獲得するためにはコンスタントに業績を上げねばならない。短期的視点の研究が増える。また、人員に余裕のある巨大大学に競争的研究費は偏る傾向がある。すなわち研究費の裾野が狭まり、ある一点の高みがより高くなるような分配がされている。いずれぽきっと折れるのではないか?日本では裾野が広い時代の研究が現在日の目を見て多くのノーベル賞を受賞している。現在の研究費の配分方法では、未来を見据えたノーベル賞級の研究はしにくくなっているのではないか?とまくしたてました。

 単に研究の基礎的な内容をお伝えするだけでなく、大学研究業界以外の人たちに、日本の研究の実情をお伝えすることも大切だなと思いました。大学で学んだことは社会では役立たないと言われ続けておりますが、一方で大学は人を育てるところなのだから哲学的にやってもらって構わないという方々も多くいることを知りました。大変勉強になりました。

あー楽しかった

 「大学の仕事が忙しすぎて研究が進まない!」とよく言いますわ。一般の方々は、大学の先生は研究が仕事で楽しくやってるんだろうというイメージを持たれていると思いますが、そんなことは決してありません。

 我々のいう「大学の仕事」とは研究のことではありません。研究は趣味みたいなもんですね・・・。

 例えば、入試。学部ではAO入試、推薦入試、私費外国人、帰国子女、社会人、センター入試、一般入試、いろんな入試があるもんです。大学院でも修士・博士の入試があります。これらがローテーションで回って来ます。

 あと会議。学科会議、学部会議、部門会議、専攻会議等のそれぞれのレベルでの最終決定会議の他、事前の委員会が多数あります。学務委員会、入学・卒業委員会、改組委員会、・・・・・、いっぱい。

 あと、授業ですね。これはわかりやすい仕事ですが、これもいわゆる「大学の仕事」であって、研究ではないです。が、将来の卒論に向けて研究につながる重要な部分でして、授業自体はあまり苦ではないです。最後にテスト採点成績付け。

 他、突発的には、担当学生が問題を起こす、退学する、休学する、教育実習に行く、などでよくわからない作文をさせられます。

 さらに、出張手続き、物品購入手続きも煩雑です。外国出張計画書、学生旅費申請書、謝金依頼書などなど。物品はすべて検収印をもらうためいちいち物品を見せに隣の建物へ持って行きます。その後書類手続き。だいたい後回しにします。

 

 といったことをなぜにこんなにうだうだ書いたかというと!先週は全くそんなことがなかったからです!先週、米国人の教授とその学生がやってきて一緒に高知の地質調査に行きました。その前まで延々と「大学の仕事」で疲弊してまして、ほんとこの野外調査は心の潤いとなりました。バドミントンはできなかったんですけどね。

 教授の学生はアメリカ人の学部学生と台湾人の博士課程の学生でした。台湾ネタで盛り上がりました!アメリカ人の学部学生はやっぱりしっかりしてましたね。

 木曜日に主にうちの研究室の学生を呼んで飲み会をしました。うちの学生の英語力は非常に低いのですが、好奇心旺盛でコミュ力が高いからか、思いの外アグレッシブに話しかけていました。それ見てるだけで面白かった。

 

 アメリカ人のメンバーと野外調査を楽しんでいる間にも、放置中だっった論文の修正をちょろちょろやってました。ドイツでやった研究の結果を書いた論文です。ドイツでお世話になっていた共同研究者のミヒャエルは10月からハレ大学でフルプロフェッサーになったばかり。すごい忙しい中、短期集中で猛烈にチェックしてくれました。

私「締め切りまであと24時間あるから!お願い!」

ミヒャエル「明日の朝までに途中経過を送るわ!」

みたいな、ドイツと日本で昼夜逆転のやりとり。なんとか締め切り40時間すぎに修正論文を投稿できました。その締め切りも3週間延長したんですけどね・・・。

 野外調査とか論文はいわゆる「研究」で楽しいところですね!

 

 次回は大学教員のもう一つの仕事である「社会貢献」について書こうかと思います。

忙しいんだけど、十分休んじゃってんかな?

 あー忙しい忙しい。

 現在の喫緊の課題は科研費の申請書の作文です。一通り書いてあとは予算の入力のみになりました。学内のブラッシュアップ制度を使って、異分野の先生に意見を求めるため、やや早めに提出することになっています。

 この作文のために、リバイスしなければならない自分の論文を放置中。

 の、合間を縫って昨日はとある進学系の高等学校でサイエンス授業をやりました。レベルの高い高校の学生だけあって、みな目を見て聞いてくれました。話しやすかったです。他にも県内コンサルの巡検案内、シルバー大学講演、防災組織講演などが予定されています。なんだか社会貢献的依頼が今年は多い感じです。

 で、今週末のとある入試の準備。ストレス・・・。

 の合間を縫って卒論の中間発表準備。大丈夫なんだろうか?

 に畳み掛けるように、国際雑誌の査読依頼。

 で、来月頭には米国の共同研究者と野外調査。これはすごい楽しみ!

 12月にはいつもの米国地球物理学会。今年は招待講演と自分の投稿講演の二本あります。どちらも口頭発表。これも超楽しみ!

 もう今年も終わりですね・・・。

 

 といった感じでそわそわしてます。今年の目標はそわそわしないことだったはずなのですが、そわそわしてます。いかんいかん。

 

 先日金曜日、飲み友のトロンボーンの先生の公演を聴きに行きました。尺八世界一の方と作編曲・舞台もやるというピアノの方とのセッションでした。すごいレベルの高いピアノと伝統的ではない異色の尺八奏法の二人組。すごい迫力ありました。そこに我らが飲み友トロンボーンの美しい音色が、これまたいい感じで重なって最高でした。尺八とトロンボーン合いますね。二人の奏法のせいかもしれないです。公演後、飲み会に混ぜてもらいいろいろ質問しまくってしまいました。すみません。大変楽しかったです。

 

 で、先日の3連休は午前中だけ科研費の作文して、あとはぼやぼや過ごしました。すごい休めた、はずなのですが、そわそわそわそわ。よくないですね。

 

 相変わらず、昼休みのバドミントンは癒しです。ドイツで買ったライフトラッカーを最近また使い始めてます。バドミントンをやると大体1日2900キロカロリー消費します。1日10000歩強。1日500キロカロリー少ない食事で、1月半ばまでに5キロくらい痩せるとか、言ってる。そういう設定ができます。知らなかったー。で、毎日の食事を入力します。で、毎朝体重と体脂肪率を測って入力します。すると、平日は着実に痩せます。先週は1キロ強痩せました。ところが休日はぼやぼやしてほとんど動かない。3000-4000歩。1日2000キロカロリーしか消費しない。すると食事が消費量をやや?超えます。で、もとの体重に戻るという。こういうことが起こっていたことが分かりました。休日もちょっと運動しないと、楽しい食生活が保てない!もうちょっとお腹をへこましたい!休日はぼやぼやしたい!人間の欲望は果てしない!ですね。

 

被災メモは続かない、と思ってたら意外と書いちゃった

 前回のポスト、札幌で停電被災のメモを「つづく」で閉じましたが、放置しまくってもはや時宜を逃しましたので、つづかないです。いや、ちょー軽いメモだけにします。

 兄の家に逃げ込んで、一泊したら翌朝電気回復、で一安心。その日、周辺の状況を見ておこうと2時間ほど午前中に北区と東区を歩いた様子を書こうと思っていたのです。電力の回復は2ブロックくらいごとのまだら模様、ガソリンスタンドに長蛇の列、相変わらずコンビニは混雑、電池は売り切れ、野菜市場やってて食料調達、北区役所に充電の長蛇の列、ラーメン屋やってて昼食べた、公園は前夜の台風の影響で木がぶっ倒れてた、学生時代から続いているパン屋もやっていたけど昼前に完全売り切れ、隣の小学校、中学校の体育館の避難所は平穏だった。自分は体育館で寝ずに済んだが、避難所行った知り合いの話では布団が支給されず硬い床で寝たとか言ってた。

 信号がついていない、自動販売機が使えない、の異常感。テレビが見れない、ネット切断からの情報カット。将来への不安からの買い占め。など、人間心理のざわざわが街に充満しているというか、異様な空気でした。散歩は良いです。

 我が家の教訓:

 水の確保。(ペットボトル24リットルほどを使いまわしながら常に確保)

 現金(500円玉貯金で数十万家にある)

 ラジオ、ワンセグ

 電池、モバイルバッテリー(ライト付きのモバイルバッテリーもある)

 ガソリン(常に半分以上キープ、充電にも使えるようにしておく)

 食料(意外と買えた、足で稼ぐ感じ?)

 ガス缶(卓上コンロとキャンプ用のミニガス缶など複数)

 ライト(スマホでいけると思うけど)

 

 と言った感じで、我が家は5日ほどは電気なしで生きながらえることができる準備をしています。

 

 まずは地震の揺れで生き延びることが大切です。部屋の防災もやっとります。

 家具・テレビの固定。

 寝室には崩れるものを置かない。割れたガラスを踏んで歩けるように、寝室の壁に靴をかけておく。

 ドアが開かなくなったときのためのバール

 二階のベランダから降りられるようにするロープとカラビナ

 ロープワークの本

 予備のメガネ

 

 これらはハード対策ですね。

 ソフト対策としては、避難所の家族での確認、複数の避難経路の確認、あぶないブロック塀の確認といった防災マップ。

 

 我が家は築50年近くの大学宿舎で、数年前に耐震工事がなされました。外壁に鉄枠ががっつりはめられた上に、面白いことに窓の角の下に細長い窪みが切り込まれました。この窪みに破壊を集中させて、建物全体の崩壊を免れる戦法のようです。すなわち、1回目の地震には耐えられますが、回復の見込みなしです。地震がきたら住めなくなります。建物のダメージが大きい場合は、速やかに防災グッズを運び出し、避難所に移動するのが賢明です。余震に恐れながら少しずつ残りの物資を取り出すか、あるいは最初の一回の運び出しで諦める必要もあるでしょう。避難所は隣の高等学校まで徒歩3分。娘の中学校まで徒歩7−8分。

 

 高知は地震、台風、大雨、突風などの災害が多い地域です。北海道の被災は明日は我が身と肝に命じてます。停電のみで一晩で回復したので不幸中の幸いでした。良い経験になりました。