3連休明け、実験再開

 昨日の月曜日、ドイツは東西統合記念の祝日でした。土曜日からの3連休でした。

 土曜日は、日本人の友達と朝からドライブして、北の港町へ鮮魚を求めて行ったところ、タラしかなくて断念。その後、イケアとCITTIマーケットで車があるからこその買い物をしこたましましました。レンタカーを返したところの近くでビールをしこたま飲んで帰りました。酔っ払うと、ドイツ人が英語でめちゃくちゃ話しかけてきます。好奇心旺盛です。

 イケアに行く前にペットボトルを回収にゲストハウスの部屋に戻ったのですが、隣の隣の部屋に新たな住人が引っ越してきたところでした。

「ハロー!」

と英語で会話が始まりました。

私:「どっからきたのー?」

新住人:「日本です。」

私:「私もです。」

となって、そこから日本語。

未来に向かって生き生きと突き進みそうな若者です。超前向きで、頼もしいです。

 

 翌日、昨晩のビールの飲み過ぎで二日酔い気味で、午前中はぼんやり過ごしました。日曜日はお店が閉まらない特別な日曜日とのことで、午後はやっぱり買い物に出かけました。んで、夕方から久々のオペラへ。ユグノー教徒という演目でした。カソリックプロテスタントがいがみ合っているところで、宗派をまたいだ禁断の恋の物語。最後は女性が改宗し、その父親が間違って戦いの中で自分の娘を殺してしまうという悲劇的な終わりです。言葉はフランス語、字幕はドイツ語。とりあえず、事前に予習しておいたあらすじを頼りに、想像を膨らまします。オケはとても上手だと思うのですが、今回の演目ではあまり前面にでなかったように感じました。終演後、結構いい役で出演していた日本人の方と飲んで楽しみました。

 

 昨日の月曜日は錦織の試合と映画三昧でした。昼前に新住人の日本人のインターネット設定を手助けし、昼を部屋で一緒に食べまして、研究について語り合いました。いやー、しっかりしてます。夕方頃に話し終わって、それからネットで映画を見てました。かなりだらっとして充電できました。

 

 で、本日、出勤すると実験機のトラブル対応が済んだとのメールが来ました。明日からまた実験再開です。12月の米国の学会に投稿していた発表の結果が来てまして、今年も口頭発表できることになりました。invitationを受け入れる手続き。ま、さっさと終わります。で、懸案だった自分の論文の再々修正をちょろっと済ませて無事投稿しました。いや、ほんとだらだらやっちゃったわ。それからすっかり忘れていた日本の大学でのプロジェクトで、啓蒙書を作るという話。とっくに締め切りすぎているから、原稿をできるだけ早く出して欲しいとのこと。今、書き始めています。これは想定外すぎてやる気を出すのが難しい・・・。

早速実験失敗

 今週頭、ようやく実験が再開して、順調に進んでおりました。ただ、待ち時間が長そうなサンプルでした。泥の塊に水を突っ込んで、周りから圧力をかけて、徐々に水を抜くことでちょっと締まった泥の塊にする、といったことをやってました。今回のサンプルは、この徐々に水を抜くのにえらい時間のかかるやつでした。まー2、3日待ってみるかな、というレベル。で、ほったらかして家に帰り、寝て、昨日朝、どの程度水が抜けているかを確認するためだけに実験室に行きました。

 どうせまだまだ放置だろうなと思いつつ実験室の扉の前に立つと、中からなにやら変な音がする。ぞっとしました。何かが起こっちゃってる。何も起こらないはずなのに。

 急いでドアを開けて、まず手前の目に飛び込んできた他の実験機が動いていないことを瞬時に確認して、一番奥にある自分の実験機を見ると、ありえない状態に!本来であれば透明な水で満たされているはずの外ケースが泥水で真っ黒け!しかもサンプルと外の水はゴムジャケットで遮断してあるはずなのに、なんだかぶくぶく泡吹いている!一番やってはいけない失敗をやっちゃったー!なぜか、泥水が辺りに散乱しており床までびしょびしょである。一体何をやらかしてしまったのか?頭の中で原因を探るも全く思い及びません。

 ひとまずバルブを閉じてぶくぶくを止める。パソコンのコントロールしているソフトを止める。ところまでやって、証拠写真をバシャバシャ撮ります。で、外に漏れ出している泥水を拭きました。次に原因究明のためにログ(記録データ)の検証です。サンプル周囲の圧力、サンプル内の水の圧力、上から軸で押し込んでいる圧力などをチェック。すると、問題の現象は一瞬で起こったようで、その直前まではまったく正常値を示している。うーんとおかしいぞ。こうなる理由がない。

 とその時、外圧力をコントロールしているはずのDOSパソコンがリスタートされていることに気がつきました。コントロールプログラムの開始コマンド待ち状態になっている。これはおかしい。

 技術者のラルフとデトレフ、いろいろ教えてもらっているロバートに状況をメールしました。ログのグラフも送りました。すると、数分後にラルフから返信が。

 「どうもログを見ると、一瞬停電した現象に見える。DOSパソコンは電源が弱いから瞬電で再起動しちゃって、ログ取り用のWindowsは生き残ったみたい。」

とのことでした。DOSパソコンが再起動すると外側の圧力がゼロにリセットされて、サンプル内の水の圧力が勝っちゃってジャケット破って溢れ出た拍子に外側の圧力をコントロールしているガス抜き穴から泥水が吹き出した、と思われます。

 ほーっと、安堵。なんか間違ったことしたのかと思った。しかし、この実験機、呪われてるわ。成功する気がしない。

 程なくラルフがやってきて、いろいろ議論。とりあえず、泥にまみれた実験機を洗って実験を終わらせることにしました。実験機の洗いが終わった頃、デトレフもやってきて、確信に満ちた目で瞬電だと思う、とのことでした。すぐラルフもやってきて二人で納得した模様。

ラルフ曰く

「原因が分かったと思うよ。初めてのケースだけど、多分間違い無いと思う!前進したね!」

前向きだね!

 DOSパソコンをチェックして、緊急電源を用意して、問題が解決したら連絡する、とのことで、また、修理待ちとなりました。この間に論文リバイスを進めています。もう少しで終わりそう。日本に帰る前に書いていた論文の続きもやろう。

 

実験再開

 時差ボケはほぼ治りました。本日から実験再開です。ちょっとしたミスをしてしまいましたが、今のところ順調です。今回はうまく行ってほしい。

 リバイス論文は、面倒くさいところを残してあと少し。実験にとっかかるとそっちに気が回らないのが問題です。実験は待ち時間が長いのですが、気が抜けないというか、慣れてません。安心して4時間放置とかできればいいのですが。

 技術職員のラルフが、朝に実験機に行った処置を説明してくれました。色々問題があったみたいで、単に一箇所の水漏れ対応ではありませんでした。ラルフはちょっとズングリ気味の髭面の大きな男ですが笑顔がカワイイので、話しやすいです。あと、同室の実験機で別の実験をやっているネパール人の学生が来て、やあ久しぶり夏休みどうだった?とか話し込んで、帰っていきました。実験機にスイッチ入れて、すぐ消しただけでした。明日来るって。何しにきたのだろうか?

キールに戻る

 2週間ぶりにキールに戻りました。

 高知>羽田>フランクフルト>ハンブルクキールの長旅でした。高知の家を出たのが朝の5時半くらい。キールに着いたのが夜の11時(日本時間の朝6時)。なので、トータルで23時間かかりました。遠かった。羽田ーフランクフルト間の飛行機であまりよく眠れず、その後は細切れの移動だったので、ほとんど寝ませんでした。キールの家に着いてすぐ寝まして、そこそこよく眠りましたので、なんとなく時差ぼけが解消されている気分です。

 キールの朝6時くらいはまだ薄暗く、一気に日が短くなったようです。日の出の位置がずいぶん南よりになっております。というのがはっきりわかるくらい、すごい勢いで変化しているようです。朝の気温は10度ちょっと。寒いです。

 ちょっと不思議な気分です。キールに戻ったら、どちらかというと、帰ってきたなっていう気分です。日本出張前の5ヶ月のキールの方が身についていたようです。2週間程度では日本とはいえ出張に過ぎない、ということですかね。アイデンティティーに混乱をきたしております。

 本日からGEOMARに出勤です。出張の書類処理、実験の手配、論文のリバイス、ちょっと航海の申請書、などに取りかかる予定です。

 そういえば、帰国直前に投稿中の論文のDecision letterが届いておりました。マイナーリビジョンということで、ちゃちゃっと対応して投稿しようと思います。これは燃えないやつ。

 この他にも投稿中2本、執筆中1本です。この執筆中1本が済んだら、ここキールでやっている研究に注力し、年度内にそのネタで一本投稿したいと思っておりますが、どうなるかわかりません。とりあえず、早速来週から実験再開する予定です。お世話になっている大学の技術職員がよく対応してくれています。助かるわー。

ドイツに戻ります

高知空港です。これからドイツに戻ります。

昨日の予定が台風で高知便が欠航となったため、1日遅れての出発となりました。

今回の一時帰国では前半の東京で学会とワークショップに参加しましたが、充実しつつも大変疲れました。後半の高知での野外調査では雨の切れ間や土砂降りの中調査を決行しました。土砂降りの中のサンプリングは危なかった。

食事は大変良かったです。日本のご飯は美味しいですね。リフレッシュできました。またドイツで論文と実験に頑張ります。