大学訪問

 今日は大学に訪問しました。キールの大きな大学は現地名でChristian -Albrechts-Universität zu Kiel、略してCAUと書かれます。私の所属しているのはGEOMARという研究所なのですが、大学と強く連携しており、こちらの教授が大学の授業を提供することが当たり前となっております。今度参加する予定の地質巡検も、こちらの教員が一部提供する大学の授業です。また、私の住まわせてもらっているゲストハウスは大学のものですが、GEOMARの訪問者も宿泊できる仕組みです。私はこちらで実験をするつもりなのですが、その設備は大学にあります。実験機を管理している大学教員とようやくアポイントメントが取れて、本日面会と相成りました。

 間を取り持ってくれているミヒャエルと午前11時に大学で待ち合わせ。研究所は湾の対岸にあり、フェリーで通っているのですが、大学はゲストハウスと同じ側にあります。自転車で10分くらい。大学の方が出勤は楽です。

 午前中、朝一で洗濯して、直後に頼んでいた運転免許証の翻訳を取りに行き、部屋で簡単な仕事をしてから、大学へ向かいました。当たり前ですが、大学は若い子でいっぱいで、対岸の研究所に比べると活気があります。ほどなく、ミヒャエルと合流。大学の地質教室へ向かい、実験機責任者の教員の部屋に到着しました。ところ、PhDの学生がいて、しばらく待機。忙しそうです。ですが、数分で部屋に招かれました。

「どうもはじめまして、はっしーです。これてうれしいです。」

「天気良くなってよかったですねー。来た時はひどかったでしょう?」

忙しそうな割には、雑談から入ります。そういうマナーなのかと思い、乗っかっていきます。

「いやー、急に暑くなって驚きました。」

「ドイツでは一般的なんですよ。春がすっ飛んで夏になります。」

「先日まで木々の葉っぱなんか出てくるのか心配でしたが、気がついたら生い茂ってますね」

「その代わり冬も急にきますよ。」

「うぇ。」

「で、何をしたいのですか?」

と、そこから、研究モード。もともとミヒャエルの技術を教えてもらうことが目的なので、彼のやったとおりのことをやりたいというと、もっと根本的な塑性強度獲得のためのリングシェア実験の提案や、より大きな圧力のかけられる3軸試験機の提案など、かなり前向きな話をいただけました。とはいえ、面会している教員は大きな研究室を管理しているリーダーなので、実際のマシンタイムの管理や細かい方法は技術補佐員がいるのでそちらと連絡を取ってくれ、とのことでした。すごいいいシステムです。ですが、メインの技術補佐員は息子が足の骨を折ってしまってその対応に忙しいので今はいないとのことでした。そのサブのポスドクのインド人が実験機を案内してくれました。彼は典型的なインド人英語をしゃべり、聞き取りが困難です。慣れねばな。日本人英語も大概だが。パーミアビリティーをペルメンアムビリティとか言われてもなぁ。

 巨大な6軸アンビル試験機、液状化試験機、透水率試験機、圧密試験機、3軸試験機などなど、なかなか充実した研究室です。先ほどの大ボス教授は、もともと土木工学からの人で、だんだんと応用地質系のテーマに移ってきたそうです。ほどなく実験機の見学も終わり、じゃ、また連絡しますね、といった感じで大学での顔合わせは終了。

 近くの学生食堂でミヒャエルと昼ご飯を食べました。ミヒャエルがいないと何が提供されているのかよく分からない。5つほどのメインと、ビュッフェ形式の小皿からなっています。ミートボールとホワイトアスパラのホワイトソーススープとサラダ、パンを食べました。ホワイトアスパラが有名で今が旬とのことで、迷わずそれにしました。大変美味しかったです。

 で、フェリーに乗って対岸の研究所へ。年度末にちょろっと書いた教科書原稿の修正コメントに対応し、先日ようやっとリバイスの終わった自分の論文の共著者からのコメントを修正しておりました。気がつけば、昨日までに科研費の報告書、大学の業績まとめもほぼ終了。順調です。これから、もう一本論文レビューを続けないとな。それから自分の新しい論文にも着手しないとな。