師走に突入

 今年もあっとゆう間に師走に突入。今月は毎年恒例の米国の地球物理学会参加と東京出張(3件)からのすぐさま帰省まで忙しい予定です。

 

 11月は後半に中国地質大学のルー教授と学生のウェンジンが高知にやってきて、高知の地質調査をやりました。土佐湾東海岸を南下し室戸まで、三波川帯と西部のメランジュ帯を10日ほどかけてぐるっと回りました。楽しかったです。

 相変わらず文化の違いなどの議論も楽しかったです。

中でも印象深かったのは、ルー教授が「日本の子供は自立している。」と言ったことです。どうも夜でも小学生くらいの子が一人で外をうろついているのが驚きだったようです。

「あ、それはね、日本人が周囲に気を使いすぎる性格なので、ストレスをためやすい一方でその結果異常に安全な社会が担保されていて、子供が一人でも夜道を歩けるからですよ。台湾の友達とかは、子供の送り迎えに必ず大人が付いていないといけないから大変だと言ってましたよ。人さらいとかもあるみたい。」

と答えると、

「いや、そういうことじゃなくて、うちらの世代は一人っ子政策だから(5年前に終わっている)、超過保護なんだよ。妻はもう息子のためにあれやってこれやって、どうしたこうしたってすごい過干渉。自分はそんなことは本人に勝手にやらせたらいいんだというんだけど、それで妻と喧嘩になるんだよ。」

「あー、でも過保護かどうかって、なかなか答えがないから難しいですよね。どこまでもグレー。きっと大丈夫ですよ。」

とかいっている彼の息子は今度の9月からアメリカの大学生になるらしく、自立心が芽生えつつあるという。ま、これからですね。うちの娘は中3ですが、そんなに自立している感じはしません。

 

 最後の3泊は高知市内に泊まってもらったのですが、どこもかしこもホテルが一杯で、やっと見つけた街中のホテルが一泊1万円。他に残っているのはJALホテルとか、城西館とか2万円越えばかり。やむなくその1万円のホテルを取りました。探しているときは全く気がつかなかったのですが、カシオワールドゴルフツアーとモロ被りしてました。

 私の名前で部屋を予約して、ホテルに中国人二人を連れて行くと、ホテルマンが明る様に嫌そうな空気を出してきて、

「ほんとはうちは中国人お断りなんですよ」

と。詳しく聞くと、ここのところ中国人、韓国人の観光客が増えてきて、日本人のお客さんとのトラブルが増えているとのことでした。もう商売というよりも、お客さん同士のトラブルだけは避けたい、というなんとも悲痛な声でした。みんながみんなそういうことではないと思うのですが、よほどの悪印象をもったことが以前にあったのだと思います。

 ですが、こちらは大学教員で彼らも研究者だ、というと、一安心したらしく、逆に良い部屋に変更してもらったりして助かりました。そのホテルマンは、建築系の勉強から、その知識を活かしたCGアーティストでもあるらしく、高知の芸術コンペである県展で良い賞をとっているようです。研究者に共感があるようでした。

 最近は外国人の日本旅行が地方にも浸透しつつあるようで、高知のようなローカルでも外国人の受け入れが増えているみたいですね。お遍路でも外国人が増えているようです。過渡期というべきか、外国人旅行者と住民の交流がもっと深まれば良いなと思います。ヨーロッパの多人種化が日本にも、また地方にもやってきているのかもしれません。