チリ出張キャンセル

 明日からチリのサンチアゴへ出張の予定でしたが、キャンセルになりました。

 先週末から、チリでは市民による政府への抗議運動が始まり、次第に大規模化し、まだ収束する気配がないようです。政府は非常事態宣言を出し、軍隊を街へ出動させ、催涙弾をバンバン撃っている模様です。夜間外出禁止令も出ています。

 とはいえ、テレビ等で映る画像は街の一部であって、デモの中心に近づかなければ問題ないのではないかと思っていました。ところが、バスや地下鉄の駅が何個か燃やされて、公共交通機関が一部ストップしているとか、非常事態宣言で研究発表会の会場となる大学も休講して閉まっている、今後の抗議活動の状況もどうなるかわからないということで、チリ大学側から今回の研究集会の中止が決定されました。

 こちらは急遽、航空券、ホテルのキャンセルをしました。若干のキャンセル料が発生します。

 今回、チリでのホテルはBooking.comで取りましたが、4泊ほどで20000円でした。クソ安い。その後、ふと見ると、欧米のLineみたいなアプリのWhat's up!にスペイン語と思われるメッセージが来ていました。Google translateで翻訳してみると

「ハロー、パブロです。今度あなたが泊まるホテルの者です。30ドルで空港に迎えに行きます。あなたの到着フライトを教えてください。」

とのことでした。最初は、どうせ公共交通機関ダウンタウンに行けるだろうと思って、無視していたのですが、その後3回ほど、繰り返しこちらにコンタクトしてきました。私も気が変わって、せっかくだからお願いすることにしました。これが、ひと月前くらいの話。英語でフライトを伝えると、英語で了解メッセージが返ってきました。みんな英語できるね。

 で、今週、月曜の午前中くらい?までは行く気でいました。私のフライトは到着が朝6時45分で、そのころの夜間外出禁止令は朝6時まででしたので、空港にそんな早朝に来れないんじゃないかと思い、パブロにメッセージ。

「ハイ、パブロ。はっしーです。今チリ政府は市民に夜間外出しないように命令していますね。私のフライトは早朝で、あなたがその時間に来るのは難しいのではないですか?遅れてもいいので、到着ゲートで待ってます。」

するとすぐにパブロから返信。

「いやいや、大丈夫です。あなたの到着前から待ってます。」

「素早いお返事ありがとう、危険じゃないんですか?O.K. See you soon!」

「危険じゃないですよ、See you soon。」

という感じでした。

その後、研究集会のキャンセルが決定されまして、パブロに

「残念ながら私のチリでの仕事がキャンセルになりました。初のチリ訪問だったので残念です。また次の機会に!」

「連絡ありがとう、残念です。また次の機会にお会いしましょう。もうお互い電話番号わかってるしね!キャンセル手続き忘れずにね!」

「うん、Booking.comでキャンセルしようとしたところです。ですが、大学事務が非常事態を理由にキャンセル料について交渉しろと言ってきていて、免除申請をしました。48時間後に決定通知がくるみたい。でも最終的には私は払うつもりです。」

と書きました。

チリにはいけませんでしたが、パブロとのやりとりはどこか心温まるものがありました。

 

 と、ここまで書いて、ちょっと追記。パブロのホテルをキャンセルしようとBooking.comのキャンセルページ行くと、キャンセル料が1万円ほどかかる、とありました。で、キャンセルボタンの下に、キャンセル料の免除申請というボタンがありました。上にもあるように、大学事務からは、今回は非常事態なのでキャンセル料が無料になるように努力せよとお達しがありまして、とりあえず、免除申請ボタンをポチッとしました。

 で、つい今さっき、決定通知がきました。曰く、

「おめでとうございます。あなたのキャンセル料はホテル側の采配で無料になりました。何か疑問があるときはホテルに直接問い合わせください。」

そのホテルの電話番号は、まさにパブロがWhat's upでコンタクトしてきた電話番号でした。

・・・。うーん、パブロ、ありがとう。この大変な時に。少しでも何か援助したいな。