今年も終わるなぁ

 12月。師走。一応教員です。

 明日から米国出張です。毎年恒例の米国地球物理学会に参加することがメインの目的ですが、その前に先日高知に来た米国の研究者と研究打ち合わせがありまして、ちょっと早めに行きます。まずはシカゴに飛んでそこから国内線でペンステート大学へ。週末にその米国研究者とワシントンDCまで車で行く予定です。今年の学会はワシントンDCで開かれるのです。楽しみです。

 今回は口頭発表が二回。まだ準備終わってません・・・。

 

 さて、前回予告していた大学教員の社会貢献について、です。毎年新年度は、大学の教員評価のための書類を書かねばなりません。昨年度の業績をまとめるんですね。その業績が研究、教育、社会貢献に分類されています。

 大学教員の社会貢献の一つは、学会運営などです。学会の代議員、役員、セッションコンビーナ、座長などがこれにあたります。

 もう一つはなんといっても研究普及活動というか一般講演会などですね。今年は、市民大学、シルバー大学、高校などでの講演、企業向けの巡検案内、学校防災授業などがありました。

 ほぼほぼ高知県民向けなので、高知にいかにすごい地質があるのかをお伝えするのが第一の目的です。なるべく分かりやすく!と思ってやってます。プレートテクトニクスとか付加体とかメランジュとか、ま、基本的なところを勉強していただく必要がありまして、それでもって高知の地質がその中でどんだけすごいのか!をお伝えしています。

 講演が終わると、楽しそうですねー!とよく言われます。はっきり言って、講演会で話すのは大変楽しいです。

 先日はちょっと年配の方々にお話ししたのですが、質問で「大学の研究費が減っているというのはどうなのか?」と聞かれました。すると他の聴衆の方の目つきが変わって、会場の集中力が上がりました。大変驚きました。いわゆる大学から支給される研究費は減少の一途であり、競争的研究費を獲得しないともはや何もできない。競争的研究費を獲得するためにはコンスタントに業績を上げねばならない。短期的視点の研究が増える。また、人員に余裕のある巨大大学に競争的研究費は偏る傾向がある。すなわち研究費の裾野が狭まり、ある一点の高みがより高くなるような分配がされている。いずれぽきっと折れるのではないか?日本では裾野が広い時代の研究が現在日の目を見て多くのノーベル賞を受賞している。現在の研究費の配分方法では、未来を見据えたノーベル賞級の研究はしにくくなっているのではないか?とまくしたてました。

 単に研究の基礎的な内容をお伝えするだけでなく、大学研究業界以外の人たちに、日本の研究の実情をお伝えすることも大切だなと思いました。大学で学んだことは社会では役立たないと言われ続けておりますが、一方で大学は人を育てるところなのだから哲学的にやってもらって構わないという方々も多くいることを知りました。大変勉強になりました。