残り10日ほど

 研究航海は残り10日になりました。現在は新しいサイトに移ったところで、次なるコアを待っているところです。

 今回の研究航海では30人ほどの研究者のうち、4人日本人が乗っております。ですが、一応気を使って、日本人同士でも英語で話します。こんなに日本語を話さなかったことはないというくらい日本語を話していません。おっさんですが、新鮮な気分です。

 コアと呼ばれる細長い円柱状の試料が海底から上がってくるのですが、おおよそ一回の採取量は10メートル程度です。これを延々と繰り返します。取れた円柱を、まず1.5メートルほどの円柱セクションに切り分けます。さらにそれらの円柱セクションを縦に半分に切ります。この半分片方がサンプリング用の試料になります。もう片方は保存用。で、何番目のコア(10メートル)の何番目のセクション(1.5メートル)、のさらに上から何センチのところのサンプルをとるのかというのを記録して、実際に研究者が採取しますが、このサンプル採取作業は時間ごとに担当研究者が決められています。ところが、昼夜交代の前後二時間は誰も担当者が決められていないのです。で、そこのタイミングでサンプリングの時間がやってくると、暇な人が集まって自発的にサンプリングをします。

 たまに日本人が3人になることがあるのですが、サンプル位置を言う時に、もーメンドくさいから日本語でやろう、となって、

「じゃ、行きまーす、コア8セクション1、25-62、あ間違えた、25-26だった。」

「・・・・、やっぱ英語でやろか。」

いや確かに英語でやってて楽ではないのですが、いきなり日本語に変換しようとすると、もはやそっちもままならぬと言う、中途半端な人間が出来上がっております。

 そろそろ帰り支度の手続きが始まりつつあります。

 なぜか自分の論文投稿、共著論文のチェック、レビュー依頼一本の仕事が溜まっております。陸にいるのと変わらないな・・・。メールやネットは本当に人を幸せにしているのでしょうか?世の中は大概、半分よくて半分わるい、表裏一体何でしょうね。