国際議論

 私のオフィスメイトは韓国人です。前いた中国人は年始に帰国してしまいました。先週は1週間だけノルウェー人がいました。

 以前、中国人と政治論議で衝突した話をしました。また、飲み会でインド人やベネズエラ人と政治談議をしたことも話しました。帰りのフェリーでよく一緒になるチリ人とも、トランプの影響などについて話すこともありますね。よく昼ごはんを食べるドイツ人の同僚とも政治の話をします。ドイツ人との政治論議ではあまり愚痴っぽくならないなぁ。といった感じで、海外では結構、政治の話に花が咲きます。

 当然ながらオフィスメイトの韓国人ともちょろちょろ政治っぽい話をしていたのですが、彼は結構いいやつで、私の方から核心の議論を避けていました。現在日韓関係がこじれにこじれており、いったい日本をどう思っているのか?大変興味深いところなのですが。

 とはいっても、やはり話の端々に韓国人らしいかもな、という意見を聞くことがあります。ある著名な韓国人芸能人でアメリカ国籍と二重国籍を持つ男性が、兵役逃れのために最終的にアメリカ国籍を選択し、韓国籍を除いたそうです。その際、国民が大バッシングをして、韓国への入国を政府が禁止したそうです。二重国籍をもつ人がある一定の年齢で国籍選択を宣言するのは、こないだの日本でも問題になった制度と同じだと思います。すなわち法的には彼のやったことはまったく問題無し。ところが、国民に親しまれていた著名な芸能人が兵役逃れのために米国籍を選択したのは許せない!という国民感情が爆発したらしく、この国民感情に合わせるように、入国禁止の法が執行されたという。本当でしょうかね。

「違法じゃないし、彼の問題であって、入国禁止は酷いんじゃない?」

というと、

「いや、兵役逃れっていうのは韓国じゃものすごい問題で、国民がみんな怒ってるからしょうがないんだよ。」

と彼はいいます。うーん、ま、一般国民が裏切られたと思って、その芸能人が韓国で芸能活動できなくなるのはいいかもしれないが、入国禁止までするのは行き過ぎている。

 といった議論を経て最近になって、ようやく少しずつ核心に触れるような議論をしています。韓国との慰安婦問題は、一昨年の合意で韓国内の問題になったと日本国民は考えている。釜山領事館前の慰安婦像の増設で、日本国民は合意が反故にされたと思っている。大統領の問題もあって、韓国では国際的な対応をする窓口が機能不全をおかしているのはわかる。

 というと、彼は、韓国民は合意がどのようなものだったか知らされていないと思っている、裁判所は日韓合意に至る経緯を示した文書を提出する判決を出したが政府は拒んでいる、そもそも慰安婦のおばぁさんたちが納得していない、なんで政府は合意しちゃったのか、でも、やっぱり韓国が悪いと思うけど・・・。といった感じでした。

 合意は文書にせずテレビで合意内容を発言するだけでした。いやでもテレビで見たでしょ、くらい突っ込みました。それでも韓国民は裏があるに違いないと思っているようです。とはいえ、どういうことにせよ、日本からすればどれもこれも韓国国内の問題になっちゃっている。

 オフィスメイトの韓国人がいいやつであることには違いない。ドイツで普段の生活をする分には、韓国人と日本人は仲良くお話しできますね。