ドイツで突然に長期滞在許可証ゲットの例1

 日本のパスポートは強いので、多くの国で90日くらいビザなしでいられます。ビザなし期間を過ぎて長期で外国に滞在する場合は、通常、長期滞在ビザを取得する必要があります。入国する前に長期滞在の予定がはっきりしている場合は、日本で長期滞在ビザを取得するのが普通と思います。ずいぶん前になってしまった米国に二年間滞在する時も家族を連れて大阪まで行って、領事館で数分の面接を受けました。

 ところがドイツでは、日本人は基本的に入国してから長期滞在許可証(ドイツでは長期滞在ビザとは言わないようです。ビザとは90日のものをいうらしい。日本人はいらない。長期滞在許可は単にlong-term residency permissionとかかな?)を取れということになっています。なんて楽なんだろう、事前に準備しなくていいなんて気が楽だわ〜、と思って入国したのですが、そんなことではなかったです。日本でやっておけばよかった(今は難民受け入れで大変なので頼めば日本でやってくれるらしい)。

 ドイツは現在シリアなどからの移民を大量に受け入れており、そのため手続きが大幅に遅れています。私はとりあえず書類が揃った時点の4月5日にメールで面接の予約を申請しましたが、自動メールで、遅くなるけどご理解願います、という返信をもらったきり音沙汰なし。だんだんビザなし滞在日数の残りが減ってきました。

 繰り返しメールを送っても何の音沙汰もない。一月半程度経った頃、受け入れ教員の一人であるミヒャエルに電話でプッシュしてもらうことにしました。

 よくある自動応答電話で延々待たされるのかと思ったら、意外やすぐ電話が繋がりました。すると、ボスにつなぐという。おーこれは望みが大きいと思ったら、

「何の心配もしなくていい、警察もこの状況を理解しているので、安心して暮らしなさい。」

とのことでした。えーっと不法滞在していいってことかな?

そうこうしているうちに本当に何の音沙汰もないまま、残り15日程度となりました。ミヒャエルがこれからどんどん電話でプッシュしてくれるといってくれます。

で、電話すると、またすぐ繋がりました。

「今日は会議でみんな出払っているので、電話応答係りの私には何も権限がありません。担当者に伝言して折り返し電話します。」

とのこと。結局電話はきませんでした。

 残り12日ほどになったとき、もうこれは不法滞在はまぬがれない、と覚悟し、長期滞在許可が下りないまでも不法滞在をやむなくさせられていることを証明する書類をだしてくれと頼むことにしました。長期滞在許可がないと、外国へ出た途端帰ってこれなくなる懸念がありました。また、もともと作ろうと思っていたポストバンクのアカウント、自動車の免許証のドイツ版への書き換えなどができず、不便を被っておりました。

 でまた電話。同様に折り返し電話する、でこなかったとのこと。だんだんミヒャエルも堪忍袋の緒が緩み始めておりました。

 残り8日ほど。このころになると半分諦めの境地で、ミヒャエルに任せっきりだったのですが、ミヒャエルからメールが

「明日11時にシーバーさんと面談の約束が取れた。外国旅行から帰ってこれる書類をもらえるそうです。」

 ま、正式な長期滞在許可ではなくても、ちょっと一安心できそうだ、すくなからず前進である、と思って喜んで翌日11時に面談に向かいました。