インフレターゲット

 数日前にニュースになりましたが,米国の中央銀行にあたるのでしょうか?FRBバーナンキ議長が年2パーセントのインフレターゲットを設定すると発表しました。
 今日になって,ようやく地方紙の経済欄に小さくその記事が載っていましたが,どうも話がこねくってあって,インフレターゲットを設定したことを明示していないのです。むしろインフレターゲットではないと書いてある。
 見出しは「日本を参考にした」みたいなもので,そんな日本の金融政策で参考にすることなんてあるかいな,と思って読んでみたら,反面教師として参考にしたみたいです。「ああ」はなりたくない,と。「ああ」とはデフレのことですね。
 考えてみれば,本来ならば労働によって利益はどんどん生み出されて行くわけです。家を造れば制作費が請求できるし,床を拭けば清掃費が請求できる。そうやって労働すればするほど貨幣をすらねばならない。つまり労働力とつりあって貨幣をすれば,緩やかにインフレになるもんではないでしょうか?こんなに働き者の日本人が毎年一生懸命働いているのに,それに見合った分だけ貨幣を刷っていない。その結果何が起こるかというと,貨幣の価値が上がってしまうのです。つまりデフレです。そんでもって円高です。そんでもって国際企業の海外流出です。そんでもって国内の雇用の喪失,ということで,ろくなことはないのです。
 明らかに日本の金融政策は失敗しています。一応インフレを目標にしているようですが,まったく外しまくっています。米国がインフレターゲットを明確に宣言したにもかかわらず,金融庁の官僚はひた隠しにしたいという。
 今日の地方紙でも最後に「雇用喪失をしてまでインフレターゲットに固執するものではない」ということでインフレターゲットであるという認識を退けた・・・,みたいなことが書いてありましたが,ここの部分,実は原文では反語的になっているようで,雇用対策とセットでやるからインフレターゲットの実施を遅らせる理由はない,という文脈みたいです。これを日本の官僚は歪曲して記者発表しているとのこと。ほんとなら腐ってるね。