東北の思い出

 そういえば東北での思い出。
岩石の薄片を研磨して、電子顕微鏡で観察するためにその薄片にカーボンを蒸着します。
東北大のその研究室にあったのはシャーペンの芯が使える卓上自動蒸着装置でした。
ボタンが二つくらい?つまみが3方向選ぶようになってます。

手前には使用法の書いてある紙が置いてありました。
見てみると・・・、うーん、エライスペルミスがあります。

「hateボタンを押す。」
「Out gusにあわせる。」

なんじゃこれ。正しくはheatボタンとOut gasですね。

東北大学らしからぬスペルミスだねー。」
というと、
「はっしーのところの学生です。」

かつて一人、うちの研究室からこの研究室の修士に行った子がいるのです。その子が書いたのです。しっかり署名まであります。は、はずかしー。

と思ったら、しかし、その学生はおそるべし予言者だったのです。

その機械は非常に調子が悪く、通常であればheatボタンを押せば10秒ほどカーボンが飛んで、それなりに厚い蒸着膜が着くはずなのですが、なぜか良くて2秒、悪いと0.2秒ほどで切れてしまいます。本来なら10分の作業に2時間・・・。heatボタンを押すたびに失敗を繰り返し、憎しみと怒りが込み上げて来ます。なるほど確かにhateボタンでありました。