これまでいろいろ

 久々のポストです。この間いろいろありました。下船して2週間後くらいに国内の学会、その1週間後にハワイの学会に参加しました。両方の学会で乗船仲間と再会しました。業界狭いです。その後、父親を高知へ呼んで、松山のばぁちゃん家でまったりしてきました。

 仕事はまぁまぁ忙しいです。普段ですと自宅に仕事をあまり持ち込まないのですが、ちょっと家でやる仕事もありました。なんかいろいろ締め切り多かった。

 そのうちの一つは、地質学会の要旨の締め切りでした。データ解析していない段階で共著者への共著のお願いをし、結果が出たのが締め切り三日前の朝。その日のうちに要旨を書いて、夕方共著者へ送ったところ、なんと速攻でチェックしてもらって、翌日締め切り1日前に出せました。

 卒論生は5名おりますが、みな良いところに就職が決まったそうで、そろそろ卒論に本腰入れてもらいたいところですが、出だし悪いです。春に自分がいなかったのが結構影響しているような気がします。先輩もいないし。7月勝負ですね。

 行ける時には元気に楽しく昼休みのバドミントンをやっております。昨日は調子悪かったー。で、終わったところで腰が痛くなりまして、午後、腰を曲げてそろりそろりしか歩けなくなりました。帰りにドラッグストアで腰のサポートベルトを買いました。今朝起きてすぐもほとんど変わらず痛かったのですが、学校に来てからちょっとずつ良くなっているような感じです。

 今日の夜は市民講演会で公演する予定です。元気いっぱいやらないと、面白さが伝わらないので、腰の痛みがもっと取れてくれるのを期待しています。

無事帰国しました

 日曜日に無事帰国しました。夕方成田についてすぐに東京へ。東京で働いている卒業生と飲みました。卒業以来数年ぶりにあった元学生もいて、ずいぶん体型が変化していましたが、元気そうにやってました。上司に気に入られているとのことで、仕事自体は順調そうでしたが、待遇面に難ありとのことでした。みんないろいろ大変そうでしたが、前向きにがんばっていて、頼もしかったです。

 で、月曜日に高知に帰って来ました。月曜日は全く何もせず。昼にうどん食べて、夜にほっけの焼いたやつを食べました。火曜日に初出勤。大学システムが新しくなっていて、浦島状態からの出張手続き、学生への連絡、溜まっていた郵便物の整理など。水曜日に会議二つ、学生面談。木曜日にバドミントン復帰、新年度初授業。で、本日にいたります。

 下船してからすぐビール飲んで、レセプションパーティーからの街飲みへ繰り出し結局現地時間の夜11時ごろまで。かなり楽しかったです!翌日早朝ふらふらの状態で空港へ行って、飛行機の中ではほぼ寝れず。日本でもあまり寝れず、日本国内線も早朝で、すっかり疲れた状態で高知に戻りました。しばらく時差ボケがとれませんでしたが、昨晩ようやくちょっと調整が効いてきました。といっても夜10時に寝て、朝3時半に目がさめるような状態です。体調良くない。ですが、今日も元気にバドミントンやります。

 再来週からの学会準備と、一本論文レビューが明日締め切り、船上の論文読んでコメント、船上でリジェクトくらった自分の論文の修正などなど。明日は、ある高知の企業の歩け歩けイベントで、地質の説明案内仕事がちょっとあります。日曜日にやっとこのんびりできるかな。昨日早くもサンプルが届いたので、来週からそろそろ処理を始めましょう。

 ずいぶん前に投稿していた米国人との共著論文が受理されたとの通知がおととい来ました。私の貢献はずいぶん少ないのですが、共著に入れてもらって大変光栄です!この筆頭著者は8月にポストクルーズミーティングで日本に来るそうです。巡検が高知でありまして、私も混ぜてもらう予定なので、そこで再会できます!

いよいよ下船

 おととい最後の試料記載が終わり、オークランドへ向けて帰路につきました。1.5日の予定をのんびり2日かけて帰ることになりました。いよいよあと数時間後に下船です。現在はオークランド目前の湾内に入ったところです。朝6時にパイロットステーションで浅瀬の水先案内人と待ち合わせしているとのことです。

 この二ヶ月間は長かったかなぁ。ドイツにほぼ一年いた時はほぼ苦痛なく楽しく過ごせました。2ヶ月なんてあっという間と思ってました。ですが、さすがに船上生活で仕事にどっぷり毎日12時間となると、疲れますね。今回で米国船長期研究航海は3回目なので、これまでよりはかなり快適に過ごせました。

 料理が前々回、前回よりもますます良くなっており、日本から持ち込んだ食べ物はほとんど使いませんでした。ふりかけ3回程度。味噌汁は全く飲みませんでした。食べ物大切ですね。今はものすごくラーメン食べたいですけども。

 やっぱり、仕事上、サイエンスの議論は白熱しました。これがまぁ、レベルが高くて通常であれば楽しい議論だと思うのですが、2ヶ月も船上で缶詰になると微妙な好き嫌いが出て来ちゃうのか、サイエンスの議論の中身よりも、人間関係のギクシャクが先に立つような場面も少なからずありました。しかし、事実に基づいたロジックが最も優先され、一旦美しいモデルが提案されると人間関係を超えて協力し始めます(一部そうでない人もいる)。面白いです。みな優秀ですわ。

 入国審査をしてホテルへのバスが出るのが11時とのこと。夕方には次の航海のメンバーとレセプションパーティーがあります。その前から飲んでると思います。

 明日の朝一で飛行機に乗って、日曜日の夕方に日本に着く予定です。東京一泊トランジットで、高知に帰るのは月曜朝です。とりあえず、日本に帰ったらラーメンかな。東京では研究室の卒業生たちと業界の情報交換をする(飲みもあるかも・・・、というか)予定です。

残り5日。論文投稿

 航海はいよいよ残り5日となりました。ほぼほぼ終わりです。今日は天候悪化で波が高く、掘削が止まっております。試料が上がってこないので、これまでのデータを整理したりしてました。が、基本暇です。

 乗船前に悶々と書いていて、乗船までに書き上がらなかった論文がありました。ある特集号の論文で、締め切りが3月末であり、延長はないと言うことでしたので、すっかり諦めていたのですが、なんと4月に入ってから4月末までに延長になりました。ちょうど船上では長期観測機器の設置で待機状態だったので、一気に書き上げまして、共著者に送りました。ドイツ人とアメリカ人との共著論文です。通常ですと英語校正をやって投稿するのですが、ドイツ人とアメリカ人が共著だから、彼らに校正をお願いしてみました。

「月末締め切りだから、3週間以内にお願いします。」

と出したところ、

ドイツ人の共著者から、

「授業や引越しで忙しく、全く時間がない。アメリカ人お願い。」

というメールが返ってきました。彼は最近、晴れてドイツのとある大学の任期なしフルプロフェッサーに採用されまして、その異動の準備で大忙しなのです。

アメリカ人は

「これから2週間フィールド授業で不在。そのあと時間ありそうだから、やってみるわ。」

という返事でした。

ところが3週間経ってもアメリカ人からの校正が来ず、リマインダーメールを出しました。これが1週間前くらいかな。

「おー、ちょうどやろうと思っていたところなんだよ。ありがとう!」

ということで、2日後くらいにアメリカ人の校正が返ってきました。

早速修正原稿を作って、また共著者に送りました。

すると、最初のドイツ人が、

「金曜日に時間がありそうだから、チェックして送り返すわ。」

といってきました。

で日曜日まで音沙汰なし。本日月曜日が締め切りです。

ま、来ないなら来ないでギリギリで投稿しようと思って、投稿のワンクリック前まで準備していました。

ところが、本日になって

はっしー、今やってる。これから数時間後と夜までに2通に分けて送るから。」

ドイツはこことは昼夜逆です。結局最後の返事が来たのが、ドイツの夜中の2時くらいでした。こっちは昼の11時。

「遅くまでありがとう!おやすみー!」

と返事を送って、さっき投稿しました。

アメリカ人とドイツ人の修正のおかげでだいぶ良くなったと思います。やっぱり話がわかっている人の修正は正確で安心感がありますね。校正会社の校正よりも筋が通ってますわ。

 いい勉強になりました。

残り10日ほど

 研究航海は残り10日になりました。現在は新しいサイトに移ったところで、次なるコアを待っているところです。

 今回の研究航海では30人ほどの研究者のうち、4人日本人が乗っております。ですが、一応気を使って、日本人同士でも英語で話します。こんなに日本語を話さなかったことはないというくらい日本語を話していません。おっさんですが、新鮮な気分です。

 コアと呼ばれる細長い円柱状の試料が海底から上がってくるのですが、おおよそ一回の採取量は10メートル程度です。これを延々と繰り返します。取れた円柱を、まず1.5メートルほどの円柱セクションに切り分けます。さらにそれらの円柱セクションを縦に半分に切ります。この半分片方がサンプリング用の試料になります。もう片方は保存用。で、何番目のコア(10メートル)の何番目のセクション(1.5メートル)、のさらに上から何センチのところのサンプルをとるのかというのを記録して、実際に研究者が採取しますが、このサンプル採取作業は時間ごとに担当研究者が決められています。ところが、昼夜交代の前後二時間は誰も担当者が決められていないのです。で、そこのタイミングでサンプリングの時間がやってくると、暇な人が集まって自発的にサンプリングをします。

 たまに日本人が3人になることがあるのですが、サンプル位置を言う時に、もーメンドくさいから日本語でやろう、となって、

「じゃ、行きまーす、コア8セクション1、25-62、あ間違えた、25-26だった。」

「・・・・、やっぱ英語でやろか。」

いや確かに英語でやってて楽ではないのですが、いきなり日本語に変換しようとすると、もはやそっちもままならぬと言う、中途半端な人間が出来上がっております。

 そろそろ帰り支度の手続きが始まりつつあります。

 なぜか自分の論文投稿、共著論文のチェック、レビュー依頼一本の仕事が溜まっております。陸にいるのと変わらないな・・・。メールやネットは本当に人を幸せにしているのでしょうか?世の中は大概、半分よくて半分わるい、表裏一体何でしょうね。