ラジオの収録

 先週末はラジオ収録をしてきました。FM高知大学で高知大学を紹介する番組がありまして、そこで私のドイツ滞在について話して欲しいと依頼をいただきまして、面白そう!と思って二つ返事で引き受けました。実はずいぶん前に依頼をされていて、当初の予定では一ヶ月以上前に収録するはずだったと思うのですが、諸事情により先週末に延期されました。そのおかげで、米国からの学生の高知滞在とちょうど被りまして、これはいい機会と思って私のドイツ滞在と米国学生の高知滞在をいっぺんに紹介することになりました。ほんとちょうどよかった。

 その学生にとってラジオの収録が初めての経験だったので、とても楽しんでくれました。私は3度目か4度目くらいだったので、まー、適当に話せばいいだろうとタカをくくっておりました。学生とのやりとりを通訳するのもまぁ適当にやっとこう、と思っていたのですが、実際やってみると、えらい冷や汗かきました。

 ドイツで学んだことの一つは、英語は適当で十分通じる!ということですね。ドイツ人は綺麗な英語を話しますが、他の海外から来ている非ネイティブの中にはそれほど英会話に達者でない人たちもいます。彼らとはめちゃくちゃな英語を使っていましたが、十分こころを通わせることができました。通じることが大切で、ちゃんとした英語をしゃべることはそれほど重要ではありません。そんな雰囲気に慣れていたので、ラジオ収録にもお気軽に臨んでしまいました。いざ、アナウンサーの学生への質問を英語で通訳してみると、あれ?これでよかったっけ?多くの人が聴くよなー、中にはあいつとかあいつかあいつとか、いやその他にも英語できる人聴くよなー、やべー間違った英語喋っちまうよー!と思って脂汗が・・・。どちらかというと、ちょっと英語できる日本人に聞かれたくない、感じですかね。我々が科学で道具として使う英語は、ほんと片手間でやってますからね!英語会話に専念して勉強している人には負けますからね!それよりも地質の専門性が、その新たな発見としてのサイエンスが国際的に認められるかどうか、中身が大切です、我々にとっては!とか、言い訳しがちな小心者の日本人ですね。

放送はもうちょい先です。詳細はまた後ほど。

 

Rejected!

 今朝、恒例の寝床でのメールチェックで、ついに先日修正稿を投稿した論文のDecisionが返ってきました!高速でチェック!速攻で残念文章を確認!

 

・・・。

 

 

リジェクトでした。

ですが、リジェクトとは書いてなくて、残念ながら掲載できないと真摯に述べさせていただきます、といったようななかなか格調高い英文でした。

いやー、残念ですけど、いい夢見させてもらいました。もうちょっとのところで、やっぱだめー!というのが私に似合っている気がします。ここで通っちゃったら私らしくない、というか。

ですが、確実に私自身の科学に関する成長を感じております。おっさんですけど。科学に関する成長という意味では、満足しております。こころ穏やかに過ごせているのは、仕事上の成果に十分満足できていることと、それ以上に大切な人との繋がりが充実しているためと思います。

 

 

とか言って、とか言ってというわけではなくて、そうだからこそ、まー、気楽に次の高級雑誌へ狙っていきます!すごいところに出すだけ出して、すべて失敗してもいいっぺ(栃木弁)。とりあえず、挑戦してみよう、で、だめだったら満腹満足できるでしょう。

 

ということで、関係者の皆さん今後ともよろしくお願いいたします。

 

はっしー

野外調査

 今週の月曜日から、米国の付加体研究者と一緒に高知の野外調査に行って来ました。なかなか面白いアイデアを持っている方で、私もちょっと見る目が変わりました。

 うーん、彼の仮説を証明するにはどういうデータを取ればいいか、どういう産状に注目すればいいか、なかなか好奇心をくすぐられるいい調査でした。やはり鍵は物理観測ですね。物理観測は基本的に”現在の”地球の状態を遠隔操作で理解する手法ですが、大量にデータが取れて、なにやらぼやっと傾向のようなものが現れる。例えば、現在のアラスカ沖とチリ沖では、あるデータに異なる傾向が現れます。微小地震の起こり方とかですね。実は高知の地質を数千万年の時間軸で見ると、アラスカ沖みたいな時もあったし、チリ沖みたいな時もあったので、高知の地質を見るだけで、地球物理観測で現れた両方の違いを岩石の変形の違いとして捉えることができるのではないか?といった視点です。面白いですね!

 これまで同じ場所を何度も調査しておりますが、このように新しいアイデアを持つと同じ場所に行っても全く異なる視点で異なるものが見えて来ます。まったく地質はどれだけ奥深いのか!高知の地質は宝の山ですね。

 まだぼやっとしたアイデアなのですが、やっていくうちにどんどん形がしっかりと現れてくることでしょう。

 で、米国の付加体研究者と一緒にやってきた修士の学生さんがいるのですが、彼女はそのまま高知に残りまして、夏までの二ヶ月半の間、高知で研究を続けます。すぐ横に研究の話し相手ができたので、私の頭がもっと研ぎ澄まされていくことを期待しています。学生なのでまだ知識が少ないところがある感じですが、ちゃんとこの夏のプロジェクトマネーを取って来て、先生からも別に給料をもらっているので(欧米の理系ではほぼ当然のこと)、研究に対する姿勢がしっかりしています。日本の大学院生は、研究を仕事と認めてもらえず、先生の弟子で未熟者な学生といった風に社会的に思われているので、タダ働きどころか、高い授業料を払って先生の指導をありがたくいただく立場となっています。国際的には異常なことです。国際的には日本の大学院生は”奴隷”と言われております。というか、わたしが積極的に奴隷みたいだと言いふらしております。でかいプロジェクトを取れば、日本でも何年かはポスドクを雇うことが一般的に可能となりつつあります。しかし、米国やヨーロッパのように修士の院生にプロジェクトから給料を払うのは日本ではほぼ不可能です。

 まー、いっても仕方ないことだろか。私の場合、高知の学生とのんびりやることで十分満足していますけども。この日本の状況で国際的に十分戦えることを示してやるのだ!と、カッコつけていきます。のんびりと戦うみたいな、一見矛盾した文脈ですが、よりカッコつけている感じを表現しております。

 

学会無事終了、バイク納車

 先週は土曜日から木曜日まで、千葉の幕張での学会に行ってきました。ずいぶん国際化が進んでおり、古くからの友人である米国の沈み込み帯マフィアが大挙してやってきて、ずいぶん英語の会話を楽しみました。我々が力を入れている分野では、地球物理の勢力が増加しており、岩石系のトピックが色あせてきているような雰囲気でした。世の中には流れのようなものがある気がします。自分のできることをこつこつやっているほかなく、そのうちまた別の流れが手前にやってくるでしょう。

 で、木曜に自宅に戻り、金曜日はなんか変な秘密の仕事。

 で、ついにやってきました土曜日。バイクの納車の日です。中古ですけど。ネットで見つけたバイクを写真だけでポチっちゃいました。香川県のバイク屋で行けないことはない。陸送で二万円取るというので、お店に取りに行くことにしました。

 まずは高速バスで高松へ。高松駅からJRで3駅戻る。そこから徒歩6分ほどのバイク屋です。なんと、職場のツーリング同好会の方がお店まで来てくれていました!ありがたやー。帰り道は高速でのトラブルを考えて下道でのんびり帰るつもりだったのですが、下道をほとんど走ったことがないので、先導してもらえて助かりました。

 とりあえず、お店で書類の説明、サインをしてゆきます。買うと決めたときには書いてなかったのですが、ETCが付いておりました。ラッキー。ETC登録料はサービスしてもらいました。一通り書類が終わって、じゃ、バイクを見てみましょう、となりまして、いろいろバイクの説明を聞きます。ウインカーのプッシュキャンセル、久しぶり。メットホルダー、ETC用のチェックランプ、デジタルトリップメーターなど、これまでの私が所有して来たバイクにない機能が新鮮でした。一通り説明を受けて、じゃ、わかりました、ゆっくり帰りましょう、お気をつけてー、ということで、ブルンッと出発しました。

 先導してくれるバイクは110ccのエンジンに載せ替えたモンスターカブ。結構速いです。本気出したら私は付いて行けません。ですが、グループでのツーリングに慣れている方なので、私のペースに合わせてくれます。私のバイクはヤマハのドラッグスター400で、まー、いわゆるジャパニーズアメリカンバイクです。ドドドドっとややうるさいです。意外と速いですが、おじさんは慣れていないのでゆっくり走ります。

 まんのう公園のうらにある山のうどん屋でお昼を食べました。大変美味しかったです。で、そこで、

「あれ?バイクのお金払うの忘れたー!」

「そんなことあるんですかね、ただだったんじゃないですか?」

 舞い上がっちゃって、お金払うの忘れて出発してしまいました。もう戻る気もないので、月曜日に振り込めばいいか、と軽く考えておりました。振込手数料ケチって現金持って行ったんだけどな。

 すごい良い天気で景色が最高でした。大歩危小歩危吉野川の美しさ!雲ひとつない青い空が映っています。すばらしい!いいですねー。

 高知市内に戻り、途中で先導していただいたカブと別れ、スーパーで晩御飯の手巻き寿司の買い出し。ほどなく無事自宅に戻りました。

 自宅で携帯電話を確認すると、3件の不在着信。気がつかなかったー。もちろんバイク屋からです。会計処理の問題でどうしても当日中にお金が必要とのことで、なんと今から高知に取りに来るという。助かります。是非お願いしますということで、無事現金で支払うことができました。担当者は研修中の人でした。そうとう怒られたんだろうなと思います。青ざめるよね・・・。

 

 今日、米国の付加体研究者が高知にやって来ます。飲み会やって、明日から1週間弱の調査です。楽しみです。

論文投稿!バイク購入!

 先日の土日は授業で野外巡検に行ってきました。若者のパワーに最初なんとかついて行きましたが、二日目は疲れちゃってほどほどに。のんびり巡検だったのですが、それでも結構疲れました。

 英文校正した論文を読み込んでいたら思いの外時間がかかってしまって、昨日、ようやく投稿しました。この論文は投稿したのが昨年末、で、年明けに速攻エディターリジェクトくらったまでは想定内で、幸運なことに姉妹誌に転送してもらえてレビューに回してもらえました。転送後でもエディターリジェクトがあり得るので、レビューに回っただけでもうれしい!で、レビューの結果が来たのが2月の下旬でした。コメントを見るとほとんどリジェクトぽかったのですがエディターのお目こぼしがあって、なんとかサバイブ。通常は修正に1、2ヶ月ほどと締め切りを区切られるのですが、今回はなんと3ヶ月あげると言われました。新たな分析データを求められていたので、そのことも考慮してもらったのだと思います。ま、大修正ってことです。修正で指摘されることを見越していたわけではないのですが、どうせやるべきことだとはわかっていたので、レビューの結果が来る前のドイツにいる間に指摘された分析をやってありました。ラッキーです。レビューの結果が来た後、ヨーロッパ旅行、帰国準備(飲み会)、帰国後新学期、などなどでなかなか対応できずにいたので、分析やってなかったら3ヶ月中に間に合わなかったと思います。ようやく修正稿を再投稿できたので、ほっと一段落。今日から毎晩1日の反省をしながらお祈りして過ごします。通りますように!

 今週末の土曜日からは幕張で学会です。土日が2週連続で潰れるー。うーん、もっとゆったり過ごしたいです。学会準備も結局遅れに遅れておりまして、今日から始めます。やばいです。

 今一番の楽しみは、いつも言っている昼休みのバドミントンなのですが、実はもう一つ、次の次の土曜日にバイクの納車がありまーす!帰国したら新しいバイクが欲しいと常々思っておりました。今乗っているバイクは、ドイツ滞在中一年放置していたため、エンジンがかからなくなっておりました。新しいバイクを買うときに、今のバイクを売るとしても自走しなきゃ売れないだろうと思ってバイク屋で修理したところ、また愛着が湧いてきてしまって、ライトのLED化なども自分でやっちゃってました。売る気ないだろー!と妻には見透かされて、新しいバイクを買うのは反対の中、ポチッと新しいバイクも買っちゃいましたので現在この件について触れると家庭に冷たい空気が流れます。ネットで良さげなやつを写真だけで購入決定してしまいました。高松までバスで行って、納車したバイクでうどんでも食いながら帰ります。楽しみです!