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ドイツ生活は、あとひと月ちょい

 今日はキール大学でレクチャーをします。大学の変成岩グループのマイクロプローブ技術研究員(教員でもあるようだ)であるピーターに機会をいただきました。夏に野外巡検に一緒に行った研究者です。先日、自分の持っているサンプルのマイクロプローブ分析をお願いした流れで、ちょっとレクチャーやってくれ、となりました。こちらとしても願っても無い機会です。ありがたいです。沈み込みプレート境界地震発生帯物質科学の世界的な拠点である高知を紹介しようと思っています。

 という感じで、ここへきてなんだかんだちょろちょろ仕事が追加されているところです。

 先日は一旦受理された論文が3ヶ月放置の後、いきなりまたエディターチェックの修正が入り、未だにプルーフィングに入っていないことが判明しました。二日ほど、このエディター修正に対応しておりました。

 あと、自分の論文のリバイスが今月末の締め切り。このリバイスはマイナーからモデレート修正と書いてありましたが、中身を精査するとかなりメジャー修正に近く、時間がかかりそうです。今月末締め切り。

 本題のドイツでの実験データの検討では、概ねデータの整理が終わり、そこそこ良い結果が得られていることが分かりました。来週、こちらの共同研究者とこの結果について議論する予定です。ここでストーリーを詰めて、3月の旅行中に論文執筆に集中できるようにしておきたい。また、大学の実験機のレンタル費用の交渉も来週あります。

 に加えて、オフィスやアパートの部屋の片付けもちょろちょろやっとります。

 なんでしょうね。ほんともうドイツ生活のクロージングを考えているところなのに、やることが多い気がして、そわそわしてしまいます。日本での家族との生活に戻れる喜びと、ドイツののんびり優しい生活を離れる寂しさを感じております。

国際議論

 私のオフィスメイトは韓国人です。前いた中国人は年始に帰国してしまいました。先週は1週間だけノルウェー人がいました。

 以前、中国人と政治論議で衝突した話をしました。また、飲み会でインド人やベネズエラ人と政治談議をしたことも話しました。帰りのフェリーでよく一緒になるチリ人とも、トランプの影響などについて話すこともありますね。よく昼ごはんを食べるドイツ人の同僚とも政治の話をします。ドイツ人との政治論議ではあまり愚痴っぽくならないなぁ。といった感じで、海外では結構、政治の話に花が咲きます。

 当然ながらオフィスメイトの韓国人ともちょろちょろ政治っぽい話をしていたのですが、彼は結構いいやつで、私の方から核心の議論を避けていました。現在日韓関係がこじれにこじれており、いったい日本をどう思っているのか?大変興味深いところなのですが。

 とはいっても、やはり話の端々に韓国人らしいかもな、という意見を聞くことがあります。ある著名な韓国人芸能人でアメリカ国籍と二重国籍を持つ男性が、兵役逃れのために最終的にアメリカ国籍を選択し、韓国籍を除いたそうです。その際、国民が大バッシングをして、韓国への入国を政府が禁止したそうです。二重国籍をもつ人がある一定の年齢で国籍選択を宣言するのは、こないだの日本でも問題になった制度と同じだと思います。すなわち法的には彼のやったことはまったく問題無し。ところが、国民に親しまれていた著名な芸能人が兵役逃れのために米国籍を選択したのは許せない!という国民感情が爆発したらしく、この国民感情に合わせるように、入国禁止の法が執行されたという。本当でしょうかね。

「違法じゃないし、彼の問題であって、入国禁止は酷いんじゃない?」

というと、

「いや、兵役逃れっていうのは韓国じゃものすごい問題で、国民がみんな怒ってるからしょうがないんだよ。」

と彼はいいます。うーん、ま、一般国民が裏切られたと思って、その芸能人が韓国で芸能活動できなくなるのはいいかもしれないが、入国禁止までするのは行き過ぎている。

 といった議論を経て最近になって、ようやく少しずつ核心に触れるような議論をしています。韓国との慰安婦問題は、一昨年の合意で韓国内の問題になったと日本国民は考えている。釜山領事館前の慰安婦像の増設で、日本国民は合意が反故にされたと思っている。大統領の問題もあって、韓国では国際的な対応をする窓口が機能不全をおかしているのはわかる。

 というと、彼は、韓国民は合意がどのようなものだったか知らされていないと思っている、裁判所は日韓合意に至る経緯を示した文書を提出する判決を出したが政府は拒んでいる、そもそも慰安婦のおばぁさんたちが納得していない、なんで政府は合意しちゃったのか、でも、やっぱり韓国が悪いと思うけど・・・。といった感じでした。

 合意は文書にせずテレビで合意内容を発言するだけでした。いやでもテレビで見たでしょ、くらい突っ込みました。それでも韓国民は裏があるに違いないと思っているようです。とはいえ、どういうことにせよ、日本からすればどれもこれも韓国国内の問題になっちゃっている。

 オフィスメイトの韓国人がいいやつであることには違いない。ドイツで普段の生活をする分には、韓国人と日本人は仲良くお話しできますね。

残りわずか

 2月になりました。私のドイツ滞在も残りわずかとなりました。あっという間の一年でした。光陰矢のごとしですね。

 3月は出張で出ずっぱりです。3月頭から帰国ギリギリまで国外を渡り歩く予定でして、キールに滞在するのはほぼ残り1ヶ月。近所でまだ行けていないところを今月中に回りたいなぁ。

 さて、ドイツ滞在について、そろそろ気分はクロージングモード。最後のスパートでデータ解析にあたります。あとは先日返ってきた論文のリバイス。あと、明日明後日と大学でマイクロプローブ分析を入れました・・・。なんか知らないけど、あんまり専門に合致していないような論文レビューの依頼も来ている。しかし私が個人的に興味ある分野で、3−4週間使っていいとのことなので、これは受けようと思います。ほかにも3月中旬のインスブルックでのレクチャーの準備。といった感じでいろいろ忙しいはずなのですが、気分はクロージングモードな上にドイツののんびり生活にどっぷりなので、ペースは遅いです。

 ドイツ人はちゃんと休んで日本のように狂ったように働かないです。日曜日に店がちゃんと閉まる。クリスマスもちゃんと閉まる。平日は5時前にみんな帰っちゃう。有給は6週間しっかりとる。夏とかにまとめてとると、土日含めて2ヶ月くらい一気に休む。それでいて昨年の経常黒字が30兆円超えて史上最大だったって。日本の倍くらいある。まったく不思議なことです。ユーロのおかげとも言われていますが。

 ドイツ人と話をしていると、日本人が働きすぎというイメージがこちらでも定着しているようです。多分日本のサラリーマンは、夜の9時とか10時とかの帰宅が一般的だと伝えると、なんでそんなに働くのか?そんなに働いて集中できるのか?とか聞かれます。西洋人らしく、自分と家族との時間を大切にする、仕事は短時間に集中してやる、という意識がしっかりあるみたいです。人としてモットモだと思います。私は中途半端に勤務時間だけドイツ人に似せて、短時間に集中するところが真似できていないみたいです。だめじゃん。

 ドイツの一人勝ちは不思議なことですが、国際的にはなんで奴らばっかりいい思いをしているのか、と妬んで嫌われる要素を含んでいる気がします。住んでみると私なんかはみんないい人ばかりだなぁと思うんですけどね。一方で、どこかやっぱり日本人にちょっと似たような、ある一定の距離やら壁やらを作る傾向があるらしい。そうだろうなっていうドイツ人もいて、そう感じないドイツ人もいます。

 いろいろ勉強になります。

 

A decision letter

 ドイツに滞在中に3本論文を投稿しました。確か6月下旬と8月中と12月下旬です。実験、巡検、秋の日本出張などもありましたので、まぁプロダクティブだったと言えるでしょう。8月中の論文はあえなくリジェクトでした。

 問題は6月下旬に出した論文で、一向に返事がありませんでした。ある企画物の特集号で、かつては特集号といえばみんなが足並みをそろえるまでのんびり時間のかかるものでしたが、最近はアクセプトされたものからオンラインでパブリッシュされて、揃ったら冊子を印刷みたいな形が多いのであまり時間的な制約を受けなくなりつつあるはずでした。

 正月明けてキールに戻ってすぐ、特集号のチーフエディターに6月下旬の論文の進行具合を聞きましたところ、2週間ほど返事がなかったので、またメールしました。二度目のメールにすぐ返信が来て、一度私の論文にアサインしたゲストエディターの家族に健康問題が発生し、チーフエディター本人が担当することになったりして、対応が遅くなったとのことでした。もうすぐ返事できる状況とのこと。

 これが先週で、昨晩、無事デシジョンレターが来ました。マイナーからモデレートリビジョン(小から中修正)とのことで、なんとか通る見込みがたちそうです。よかったよかった。

 あとは12月下旬に出した論文の結果待ちです。

 何度も言っているように、ドイツでやった実験の結果をまとめて帰国までに論文にしたいと思っています。ですが、いろいろ忙しくなかなか手が回りません。今は来年度の学会のアブストラクトを執筆中。本日中に終わらせたいなぁ。サンプルの日本への送付手続きもあります。

新年のいいニュース、たてつづけ

 先日、ある雑誌に転送した論文がレビューにまわったという話をしましたが、その後もいいニュースが立て続けに舞い込んできています。新年早々景気がよいです。

 昨年の9月の日本出張で出席した国際シンポジウムで、結構仲良くなった米国の教授がおりました。その時、その学生も2名一緒でした。なかなか活発な学生で、研究を楽しそうに語っておりました。キールに戻ってしばらくして、その学生からメールが来ました。曰く、米国サポートの東アジアを対象にした夏の10週間の研究プロジェクトに応募したいので、そのホストになってほしい、とのことでした。願っても無いことなので、すぐにオッケーの返事を出しました。その結果がつい先日出まして、無事採用されたとのこと。今年の夏、高知で一緒に研究することになりました。

 はたまた、昨年、ある国際研究プロジェクトに参加するべく、申請書を提出しておりました。その結果がアンオフィシャルについさっき来まして、なんとか採用されたみたいです。申請は日本を通じて行うことになっていたのですが、このアンオフィシャルな通知は日本からではなく、ヨーロッパ側から・・・。人脈って大切ですね・・・。

 いや今年は忙しくなりそうです。ドイツののんびり生活に慣れちゃってるので、日本に戻ったらリハビリが必要です。戻ったら新学部がスタートするし、免除されていた授業も始まります。オフィシャルには「がんばります!」。アンオフィシャルには「正直たぶんやってけないだろうな」。